今回は歪み・変形関連(ラスター・波紋・極座標変換・ディスプレイスメントマップ)のエフェクトについて解説していきます。
前記事は以下
歪み・変形関連エフェクト
オブジェクトを歪ませたり変形させたりするエフェクトです。
エフェクトの出し方
エフェクトに関する基本事項は以下を御覧ください。
ラスター
オブジェクトをぐにゃぐにゃと歪ませることができるエフェクトです。
設定ダイアログは以下。
パラメーターが3つとチェック項目が2つあります。
見た目でわかりやすいと思いますので逐次見ていきます。
動かすレイヤーの組み合わせは以下。
以下の画像に背景を付けて動かしてみます。
パラメーターのGIFでは「縦ラスター」「ランダム振幅」のチェックは外しておきます。
また「横幅」「高さ」の数値がゼロだと他のパラメーターも無効になりますので適宜調整をしておきます。
パラメーター
横幅:波の横の幅を調整し、数値が高くなるほど横に薄く長く伸びて行きます。
高さ:数値が高くなるほど、1つ1つの波の縦幅が大きくなり、波の数が減ります。
周期:波が1秒間にうねる回数を変えることが出来ます。
それによって歪みの動きの速さを変えることができますが。
マイナスに数値を振るとうねる方向が逆になります。
チェック項目
縦ラスター:チェックを入れると波の向きを縦に変更することができます。
ランダム振幅:チェックを入れると、波の横幅がランダムに変更されながらうねるのでチェックを言えない場合よりもまとまりがあります。
波紋

中心X・中心Y
波紋の中心が左右に移動しているのが見えます。

波紋の中心が上下に移動しているのが見えます。

幅
波の幅を調整することができます。
数値を大きくしていくと波の幅が大きくなりすぎて波紋の形が見えなくなります。
高さ
波の高さ(強さ)を調整します。
数値はー400~400まで設定できますが、高さの値を0にすると波紋は起きません。
ちと分かりづらいので高差の値を30、-400にして動画を動かしてみます。
30のとき
-400のとき
速度
波紋のひろがる速さを調整します。速度はー1000~1000まで設定でき、
数値がマイナスだと波は外側から内側に動き、数値がプラスだと波は内側から外側に向かって広がります。
速度の数値を変えて動画を動かしてみます。
数値を30にしたとき
内側から外に波紋が広がっているのがわかります。
数値を-30にしたとき
外から内側に波紋が収縮していくように見えます。
数値を1000にしたとき
+-ともに数値を大きくすると波紋が早く動くようになります。
詳細設定
一番下の「詳細設定」をクリックすると以下のダイアログが出てきます。
波紋数
波の数を指定した数だけ発生させることが出来ます。
ただし数値が0の場合は、波紋がないのではなく波紋が出っぱなしになります。
波紋数を1と6にしてみます。
波紋数1
波紋数6
波紋間隔
波紋が広がった後に、次の波紋が広がるまでの間隔を調整します。
波紋数を6のままにして波紋間隔を3にしてみました。
二階波紋が起きることがわかります。
増幅減衰回数
波紋の波の高さが、何回目の波で最大or最小(プラスで最大マイナスで最小)になるかを調整します。
波紋数を6のままにして波紋間隔を0に戻した上で増幅減衰回数を3にしてみました。
ちとわかりにくいかな^^;
パラメーターや詳細設定を組み合わせると面白い動画が出来ます。
なおリアルタイムでプレビューするにチェックを入れると、詳細設定の変更がその場で確認できるということなんですが。
補足
この「詳細設定」は私のパソコンでは「メディアオブジェクトの追加」から出した「波紋エフェクト」では反応せず。
設定ダイアログの+ボタンをクリックしてオブジェクトにそのまま追加した「波紋エフェクト」でのみ反応しました。
もし「詳細設定」に数値を入れて反応しない場合は試してください。
なおリアルタイムでプレビューするにチェックを入れると、詳細設定の変更がその場で確認できますが。
本体ウインドウでプレビューの設定をしていれば特にチェックを入れる必要はありません。
極座標変換
オブジェクトを円の形に変換することができるエフェクトです。
設定ダイアログは以下。
パラメーターが4つあります。
わかりやすいようにテキストオブジェくとの下に「曲座標変換オブジェクト」をおいて変化させてみます。
音声は軽オブジェクトを使っても面白い動画が出来たりします。
元画像
オブチェクトにチェックを入れると切り替わります。
音声波形を使った例。
音声波形表示オブジェクトのタイプ1の下のレイヤーに音声ファイルを置き。
更のその下に途中から極座標変換オブジェクトを置きます。
それで以下のようになります。
中心幅・拡大率・回転・渦巻き
テキストの下のレイヤーに「極座標変換オブジェクト」を置いて各パラメーターを動かしてみます。
中心幅:数値を上げていくと中心部分の幅を広げられます。
拡大率・極座標に変換したオブジェクトを拡大することができます。
回転:数値はー3600~3600まで設定することが出来。
数値がプラスだと時計回りに回転し、マイナスだと反時計周りに回転します。
渦巻き:変換したオブジェクトをぐるぐるとした渦巻の形にできます。
数値は-8~8まで設定でき、何回渦を巻くかを調整することが出来ます。
初期設定では0になっていて。
+のときは時計周り、-のときは反対周りに渦巻きます。
ディスプレイスメントマップ
オブジェクトを指定した形のマップ内で歪ませたり変形させたりなどができるエフェクトです。
設定ダイアログは以下。
パラメーターが8個ありますが。
左下の「変形方法」には3つのメニューが有って。
移動変形が選ばれているとパラメーター部分の上の2つ、変数X・Y野ボタンになっていますが。
「拡大変形」を選ぶとボタンが変数X・Yから拡大変形X・Yに変わります。
回転変形にするとX・YのうちXのボタンが「回転変形」に変わります。
つまりパラメーターは実質11個あることになります。
変形X(移動変形)
変形Y(移動変形)
拡大変形(拡大変形)
拡大縦横(拡大変形)
回転変形(回転変形)
X
Y
回転
サイズ
縦横比
ぼかし
それと
マップの種類
元のサイズに合わせる
があります。
また「マップの種類」には9種類のメニューがあります。
これはマップとして切り抜く図形の形を表していますが。
背景
円
四角形
三角形
五角形
六角形
星型
(ファイルから選択)
(シーンから選択)
膨大な数の組み合わせですねえ^^;
マップの位置・大きさを調整するもの
まず変形方法から見ていきます。
図形の種類は回転しているのがわかりやすいように三角形を選んでみました。
その上で。
X,Y、サイズ、回転を適宜調整してマップが中心に来るように設定しました。
ちなみにX、Yはマップの座標位置を動かすのに使い。
サイズはマップ大きさをを調整します。
これらのパラメーターはマップの位置・大きさを調整するものですので設定をしたら固定します。
もちろんこれらのパラメーターも動かせるわけですが今回は固定数として扱います。
また「元にサイズに合わせる」にチェックを入れるとオブジェクトの大きさに合わせてマップが広がります。
変形方法
上記設定をした上で変形方法のメニューを変えながらマップの中を動かしてみたいと思います。
移動変形
変形Xパラメーターを動かした場合
変形Yパラメーターを動かした場合
拡大変形
拡大変形パラメーターを動かした場合
拡大縦横パラメーターを動かした場合
回転変形
回転変形は一個です。
縦横比・ぼかし
縦横比もぼかしも固定パラメーターにスべきものではありますが。
面白いのでその動きをGIFにしてみます。
縦横比のパラメーターは「元のサイズに合わせる」にチェックを入れると効かなくなりますので
縦横比を使う場合には注意が必要です。
その上で例えば変形Xを直線移動、縦横比も直線移動にチェックを入れて動かすと以下のようになったりします。
ぼかしは「元のサイズに合わせる」にチェックが付いていてもいなくてもパラメーターは効きます。
それで上記の縦横比と変数Xを直線移動にした動画にぼかしをかけてみるとこんな感じになったりします。
マップの種類
マップというのはいわば鋳型のようなものです。
様々な形に切り抜いてその内側を動かすことが出来ます。
メニューは10種類。
図形関連は省略しますが。
背景
「背景」を選択すると「変形方法」以外のパラメーターは効かなくなります。
そして以下のように背景そのものが変形方法のパラメーターに従って動いていきます。
ファイルから選択
「ファイルからの選択」をクリックするとその右側に「選択」ボタンが出てきますので。
それをクリックして出てきたエクスプローラーの中からオブジェクトを選ぶことが出来ます。
仮に子供に写真を取り込んだとすると
この女の子の形でマップが出来ます。
変数Xに直線移動を選んで動かしたのが以下。
「元のサイズに合わせる」にチェックを入れてあります。
シーン
またシーンからの取り込みもできます。
シーンについては例えば。
さっきの女の子に設定してしまえば同じような動画ができます。
シーンについては以下、別記事のものを引用しておきます。
拡張編集の左一番上に「Root」というボタンがあります。
これはある場面を『シーン』として何度も呼び出せるようにする機能」です。
つまり動画や音声を保存しておいてそれを呼び出して貼り付けるというものです。
補足
Rootボタンを押しても以下のような「シーン」メニューが現れない場合。
本体ウインドウのメニューバーから「表示」をクリック→「常に手前に表示」のチェックを外してみてください。
それでもだめな場合は
拡張編集(タイムライン)になにかのオブジェクトを追加し。
そのデータを
タイムライン上のなにもないところをクリック→「ファイル」→「オブジェクトファイルのエクスポート」をクリックします。
するとエクスプローラーが出てきますので適当な場所に名前をつけて保存をします。
拡張子は.exoです。
エクスポートしたら本体ウインドウの「ファイル」メニューから「閉じる」を選択します。
すると本体ウインドウが白っぽくなります。
その状態でタイムラインン上を右クリックすると。
新しく「新規プロジェクトの作成」というメヌユーが一番上に出ているのがわかると思います。
これをクリックし。
出てきたボックスに適宜数値を入れOKボタンをクリック。
次にエクスポートしてあったファイルをインポートして呼び返します。
すると本体ウインドウが以前の様に黒くなります。
もう一度タイムライン上をクリックすると以下のメニューが現れます。「新規プロジェクトの作成」というメヌユーがなくなっています。
ファイル→「オブジェジェクトのインポート」をクリックしてエクスポートしたファイルを呼び戻します。
そこまでやるとRootボタンをクリックするとシーンメニューが出てくると思います。
「Root」をクリックすると以下のようなたくさんの「シーン」が現れます。
例えば「Scene1」をクリックすると新しいタイムラインが出てきますので。
そこで動画を編集し、自分で決めた名前をつけます。名前の付け方ですが。
左側のレイヤーの名前が書いてあるところを右クリック→「レイヤー名の変更」をクリックし。
出てきたボックスにレイヤー名を書き込み{OK}をクリックすれば名称が変更され。
今の場合ですと「Scene1」ではなく「テスト」が表示されました。
また名前の変更は「Root」の部分を右クリックすることで出てくる「シーンの設定」をクリックし
出てきたダイアログでも出来ます。
ここではさらに詳細な設定ができまして。画像サイズ
シーンの解像度を指定することができますアルファチャンネルあり
ここにチェックを入れるとシーンの何も無い部分をアルファチャンネル属性(透明)に変更できます
つまりとRootで作った映像の上にレイヤーを重ねてもそのオブジェクトがRootで作ったオブジェクトで見えなくなることはありません。ただしMP4動画ファイルではアルファチャンネルは使えません。
シーンの挿入
シーンを挿入するにはタイムライン上で「右クリック」→「メディアオブジェクトの追加」→「シーン」をクリック。
するとシーンの「映像部分」だけを挿入できます。
同じ様にタイムライン上で「右クリック」→「メディアオブジェクトの追加」→「シーン(音声)」で、シーンの「音声部分」だけを挿入できます。
なお「シーン」をクリックした際。同時に出てくる「シーン設定」のダイアログで「シーン選択」ボタンを9クリックすることでシーンを変更することも出来ます。
何度も同じシーンを繰り返したい場合。
シーン機能を使用しないと、いちいち同じシーンのオブジェクトを全てコピーする必要があります。。
シーンを使えば簡単に追加できますので非常に楽です。
思いの外時間がかかってしまいました。
表現を豊かにするためにはエフェクトは一つ一つ理解しておく必要がありますから。
手が抜けません。
次の記事は以下。
https://maliajoy.com/mirror-%c2%b7-image-loop
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