今回は透過・透明化エフェクトを解説していきます。
透過・透明化エフェクト
前回の記事は以下
エフェクトに関する基本事項は以下を御覧ください。
クロマキー
クロマキー(Chroma key)もしくはクロマキー合成(クロマキーごうせい)はキーイングの一種で、特定の色の成分から映像の一部を透明にし、そこに別の映像を合成する技術。
色(クロマ)をもとにしたキー信号を使用するため、クロマキーと呼ぶ。 (ウィキ)
指定した色やそれに近い部分を透明化させることができます。
ただし色のチェックは「明るさ」「色相」を利用していますので以下(色調補正エフェクトを使用)のように無色のものだと画像の輪郭が消えてしまいます。
設定ダイアログは以下。
パラメーターが3つとチェック項目が2つ。
それと「キー色の取得」があります。
まず設定ダイアログにある「キー色の取得」をクリックしたあと、オブジェクトの透過させたい部分をクリックします。
するとそこだけ透明化されます。
とは言うものの素人目には結構分かりづらいです。
例えば以下の画像をつかって「キー色の取得」をしてみます。
ひまわりの花のところにカマキリがいます。
最初に背景を「白」にしその上に上記画像を重ね合わせます。
そしてその下に以下のような感じでクロマキーエフェクトを挿入します。
ちなみに背景は図形オブジェクトを呼び出し。
「図形の種類」のメニューから「背景」を選びます。
その上で「キー色の取得」をクリックしたあとカマキリの部分をクリックします。
するとカマキリやそれと同じような色のの部分が白くなります。
これはその部分が透明化したために背景の白が透けて見えたためです。
次にその状態でレイヤーのの一番上の「背景」を別の色に変えてみます。
すると透明化された部分の色が背景の色になることが確認できると思います。
これでクロマキーが特定の色(その近似の色)を透過させることがわかると思います。
これから設定ダイアログの各項目について見てみます。
色相範囲・彩度範囲・境界補正
色相範囲:透過させる色相の範囲を指定します。
色相(しきそう、英: hue[1])は、赤、黄、緑、青、紫といった色の様相の相違である。特定の波長が際立っていることによる変化であり、際立った波長の範囲によって、定性的に記述できる。ただし、常に同じ波長が同じ色に見える訳ではない。赤から、黄、緑、青を経て、菫(紫)までは、スペクトル上の色であると言える。
彩度、明度と併せて、色の三属性と言う(ウィキ)
数値を上げていくほど、透明になる範囲が広くなっていきます。
見やすいように背景を白にした上で色相環を使って「色相範囲」のパラメーターを動かしてみます。
今回は青の近辺で「キー色の取得」をしました。
数値を大きくするほど透過部分が増えていく(背景の白の量が多くなる)のがわかると思います。
彩度範囲 透過させる彩度の範囲を指定します。
彩度(さいど、英: colorfulness, chroma, saturation)は色の鮮やかさの尺度である。
数値を大きくすると鮮やかさが増します。
境界補正 透過の境目をはっきりさせていきます。
数値を大きくするほど境目がはっきりします。
色彩補正・透過補正
色彩補正:キー色に近い色を元の色合に補正します。
クロマキーの場合、キー色に近い色もみんな透過されてしまいますが。
近似値の色彩をもとに戻します。
透過補正 キー色に近い色の透過率が高まるように補正します。色彩補正を使用している時のみ有効です。
これって分かりづらいんで。
またまた先程のように背景を付けてみました。
カマキリの色を「キー色の取得」してクロマキーのパラメーターを適宜動かすと以下のようになりますが。
これに対して「色彩補正」にチェックを入れてもあまり変化は見られませんが。
プラスで「透過補正」をかけると以下のように激変しました。
ただこの画像は似たような色使いだからそうなったんだと思います。
色相環でみた場合。チェクを入れたり外したりしてみると。
近似の色だけが透明化を増していることがわかります。
カラーキー
マクロキーと同じくカラーキーを指定してその部分を透過させます。
こちらも色で判断をして透過してくれる機能なのですが。
クロマキーと違うのはクロマキーが「明るさ」で透明化するものの範囲を決めるのに対し。
カラーキーは『輝度』で範囲を決めます。
そのためクロマキーで出来ない「色の無いもの」の透過が出来ます。
別記事で説明しておきましたが一部を引用しておきます。
色相の総体を順序立てて円環にして並べた色相環でさらに見てみましょう。
「明るさ(明度)」のパラメーターを動かすと。
「輝度」でパラメーターを動かすと。
違いをよく理解して活用したいものです。
彩度
彩度(さいど、英: colorfulness, chroma, saturation)は、色の三属性の1つで、色の鮮やかさの尺度である。 彩度は基本的に、色空間の中央軸(無彩色軸)からの距離である。 無彩色(白・黒・灰色)で0となり、無彩色軸から離れるにしたがい増し、純色で最大となる。(ウィキ)
「彩度」のパラメーターを動かすと以下のようになります。
画像でやるとこんな感じです。
カラーキーの設定ダイアログは以下です。
輝度範囲・色差範囲・境界補正
カラーキーの「キー色の取得」をクリックしてメインウインドウの透明化したい色の部分をクリックします。
今回はカマキリの緑の部分をクリックしました。
なお透明化されているかどうか見やすいように緑の背景をつけました。
緑色の部分が透明化された部分です。
輝度範囲と色差範囲はゼロ以上になっていないとお互いパラメーターが効きません。
どちらかがゼロになっていると境界補正のパラメーターも効きません。
ということで輝度範囲と色差範囲はある程度の数値に設定した上でそれぞれのパラメーターを動かしてみます。
輝度範囲: 透過させる輝度の範囲を指定します。
色差範囲: 透過させる色差の範囲を指定します。
色差とは微妙な色の違いのことをいい。測色計があれば、色と色との微妙な違いも、数値で表すことができます。
色差の幅が大きいほど透明化される範囲も広がります。
境界補正: 透過の境目を補正します。
ルミナンスキー
先程の2つとは違い、色は関係ありません。
『明るい部分』か『暗い部分』のどちらか、または双方から、要素の強い順に透過していってくれます。
「輝度」だけが基準になります。
設定ダイアログは以下です。
基準輝度: 透明化させる基準となる輝度を設定します。
ぼかし: 透過される部分とされない部分の境界となる部分のぼかす範囲を調整できます。
下のボックス:どの部分を透過させるかという4つのメニューを選択することができます。
見やすいように背景をちと変えてみます。
2つのパラメーターの様々な組み合わせとメニューで様々な表現ができます。
メニューごとにパラメーターを動かしてみたいと思います。
暗い部分を透過
「基準輝度」のパラメーターを動かすと暗いところから順番に透明化されていきます。
「基準輝度」をある程度の数値にしてから。
「ぼかし」パラメーターを動かすと透明度が失われます。
明るい部分を透過
「基準輝度」のパラメーターを動かすと先ほどとは逆に明るい部分から透明になり。
値を大きくすると透明度が失われます。
「基準輝度」をある程度の数値にしてから。
「ぼかし」のパラメーターを動かすと。
以下のようになります。
明暗部分を透過
明暗両方を透過しますので。
「基準輝度」のパラメーターを動かしても変化がありません。
「ぼかし」パラメーターのみに反応します。
明暗部分を透過(ぼかし無し)
「ぼかし無し」とありますがこれも「ぼかし」パラメーターだけに反応します。
ぼかしがないだけにくっきりとしています。
以上が透過・透明化エフェクトの解説でした。
説明しづらい部分が多くありましたが。
触ってみるのが一番です。
なかなか楽しい表現ができそうなエフェクトです。
次のエフェクトの記事
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